(記者)
日経新聞です。先ほどのお話でJRにルート変更や工事中止等についてこれから申し入れることになるとすればですね。これは先ほど知事がおっしゃいましたように、JRの社長さんではなくてですね、例えば葛西名誉会長に対してですね、例えば知事から、そのタイミングが来ればですけれども、対談をされたり、昨年のトップ会談のような形でというお気持ちはいかがでしょうか。
(知事)
まあ相手が望まれるならばいつでも、はい。大体、彼とは長いつき合いがありますから、四半世紀以上のつき合いがあります。安倍第一次内閣のときに、教育再生会議でご一緒し、また、彼の作られた海陽学園ですか、愛知県にある、それも向こうのご厚意で見に行ったりですね、しておりまして。また、JR東海の広報誌Wedgeっていう会社がありますけれども、そこでですね、私は副座長だったわけですけどずっと、Wedgeという紙面を提供したのも、葛西さんのこの個人的なご厚意であったと思ってます。そうした意味でですね、ツーカーというとちょっと言い方が、私の方からするには失礼かもしれませんけども、初めて会う方じゃないんですね。ですから、そういう意味では、あそこの会社は成り立ちがありますよね。JR東海という会社を、実際に作ってきた、本当の立て役者といいますか、国士風の立派な見識を持った方が葛西さんです。ですから、論説もですね、ご本もいろいろ書かれてますけども、それなりの筋の通った方でございましてね。ただ今、1.5兆円もの追加のコストがかかるとか、原発が厳しくなってきてるとか、あるいは陥没の問題が出てきたとか、あるいは、もちろんうちの問題もございましょう。そうした中でですね、赤字を計上してるということもあってですね、1回、休止するっていうのが一番賢明なあり方かなと私は思いますけども。今、有識者会議でやってることがありますので、この流れの中では、今回の選挙戦における最大の争点、あるいは唯一の争点である、つまり政策的な争点というのは、これしかなかったですね。ですから、ここの点について、関係者、いろんな人が応援に来られたり、応援メッセージを送ってこられたということですから、熱の冷めぬうちにですね、なるべく早く有識者会議、生態系についてやっていただき、この発言もですね、人を介して、後日、伝えたいというか伝わると思います。
(記者)
NHKです。先ほどの話に関連して知事の政治姿勢についてもう一度伺いますが、今、リニアについて、できるものなら自民党とも共闘していくとおっしゃった一方で、昨日、知事、連合静岡に挨拶に行かれた時にですね、政府の、主に国会答弁を批判されて、権力を持っているものが、自民党支持層以外の方や無党派層の方に閉塞感を与えていると、国民の不満・不平がうっせきしていて、ここに晴れ間をつくるためには一緒に力を合わせて頑張らねばならないと、渡辺周立憲民主党県連代表や、国民民主党の榛葉賀津也幹事長の前で、共闘を呼びかけられました。知事、これまで、国政選挙では表立って前に出ることは、それほど、されなかったと思いますが、今後は、国政選挙で野党と共闘して、自民党政権に、打撃を与えていくということを積極的になさるのかどうか、改めてお聞かせください。
(知事)
これは、今、私の政局と言いますか、政治に対する印象を申し上げたわけです。今回、赤木ファイルの問題もですね、この森・加計問題といわれた、以来、ずっと何度も報道されてですね、これは、もう一つ、こう、風通しがよくないというのは、国民の中にある閉塞感ではないかと思います。答弁も「控えさせていただく。」という回数が多くなって、これは上田清さんが実際に勘定をされたそうですけれども。上田清さんというのは、全国知事会の会長をされた方で、こっちに来られたときにですね、お話を聞いたわけじゃないんですけど、ご本人がおっしゃって、実際に国会で質問したと。いわゆる「答弁を控える。」という、そういう首相の答弁は、1995年に初めて1回起こったと。そしてそれが、安倍総理、それから、菅総理によって、急速に増えたと、いうことで、答弁をしないという。それが実は、今、官僚にまで広まって、「答弁は控えさせていただく。」ということが起こってるのは、かつてなかったことだと言われておりました。つまり、答えが、聞こえない聞かれないというのはですね、風通しが悪いってことでしょう。そういう話、聞くとやっぱり、何となく、上田さんが感じられてるですね、閉塞感というのは私もあります。それから、今回の選挙はですね、自民党が党を上げてやるということで、私はもう、本当に猛獣に襲いかかられて、1人で戦うという感じだったと。まあ、しかし、ボランティアの方ですか、いらしてくださってですね、非常に明るい選挙になりました。文字通り風通しのいい選挙になったわけですね。締め付けるものなんか、何にもありませんから。みなさん、自由勝手にそれぞれのやりたいことをやったということでございましたけれども、そういうのと比べるとですね、締め付けと組織力というのは、もう、聞こえてきますから。ですから、それで困ってるっていう人の、一応、義理もあるので出なくちゃいけないと、自民党さんにもお世話になったと、いうようなことを言われる方がいてですね。しかしながら、困ったことだというふうな、そういう顔をされておられまして、それはよくわかることで、私はそういうことについて、別に何だとこうだと、いままで言ったことはございませんしね、それぞれ事情がありますからね。お立場上しょうがないと。常にそう思ってるんですけども。今回、その自民党、党を挙げてきてですね、かつ、政策論争ができなかったと。政策がないと。まあ、何ですか、県民の命と安心の日常を取り戻す、防災減災、医療と福祉、子供を大切する教育、女性が輝くインフラ整備、観光促進、農林水産業の促進。もう、全部やってきてることじゃないですか。成果がありますよ。これは、もう、それに代わるオルタナティブのですね、選択肢を出されるという、これも唯一あるのは、初めからですけれども、もう、これはリニアの水の問題と。命の問題ですから。これはもう県民がですね、命の水の問題だけは、絶対に譲らないでくれと。強く、訴えられるというのをですね、身体中で感じましたね、この間。で、この件について、負託されているので、どのように守るかと。そのために、科学的、工学的な議論をですね、本県の専門部会で、二つの専門部会でやり、そして今、有識者会議でやってもらってると。これは続けようというのが、私のスタンスだったんですけど。これについて、相手の政策集団、自民党さんがですね、公約としてうたっている早期実現、リニアの早期実現と。大阪までです。この早期実現に対してですね。工事の中止とかっていうのは、もう、禁句じゃないでしょうかね。あるいは、ルートの変更だなんていうのは。十分議論して、決めたに違いありませんから。ですから、これをですね、あえて言うというのはですね、これは、あなたの意見ですかと、私は、何度も聞きましたけども、はっきり言われない。それを別の形でも聞きまして、また、彼はそれを何度も言われたということは皆さんもご承知の通りですから、従って、これを前提にして、自民党が、領袖たちがですね、応援演説をぶったり、応援メッセージを送られたってことですから、これは、もう明らかに、JR東海に対する自民党さんのスタンスが見えてきたわけですね、私には。ですから、このJR東海に対するスタンスが初めて見えました。単に、早く始めるって言ってるわけじゃなくてですね、人の安全を考えなさいと、地域の住民の安全を考えなさいと、いうようなことでしょう。そういうことができないのであれば、ということでございますので、その場合にオルタナティブ、二つ、出されたわけですから、これは私はできません。そんな、JR東海へのですね、要求はできません。その能力は超えてます、知事の。川勝平太個人のですね、能力を超えてますけども。やはりあの、国策として決められた方がいらっしゃいますのでね。そういう方たちと一緒にやるのがいいと思っているわけです。
(記者)
もう一つ、政治姿勢として伺いますが、市町との関係、特に静岡市長との関係がいろいろ取りざたされますが、知事、一貫して反対しておられる桜ヶ丘病院の、清水駅東口沿岸部への移転問題について、今月の市議会で、関連予算が提出され審議されます。一方でこの移転については、JCHO側が、ヘリポートはお金がなくてできない、救護病院も外科医がいなくてどっちみちできないということを言って、これも議論になる見通しですが、この問題については、田辺市長は、この問題の当事者はJCHOと静岡市役所であるので、それを尊重して欲しいということを言ってますが、静岡市民として、川勝知事にも、その議論を尊重して欲しいという田辺市長のこの姿勢に対して、引き続き、発言を続けるかどうか、お聞かせください。
(知事)
これもアンケートで、NHKさんだったか、あるいは産経新聞だったか、この件について問われたのがありました。大体150とか200字で答えろっていうんですけど、おそらく1,500とか2,000字とかですね、3,000字近く書いたんじゃないかと思います。これはどこの新聞だったでしょうか。
(記者)
うちです。
(知事)
朝日新聞ですね。その全文をですね、記者さんにお見せください。そうすると私の考えは明確です。しかし、これは、私の考えというよりもですね、これはもうこの間ずっと、県庁全体の各部局の関連する部局ですね、危機管理部、それから、もちろん、交通基盤部、健康福祉部、少なくともこの三つですね。それから戦略部(正しくは、知事戦略局)ですね。これはやっぱり危険だから、考え直さなくちゃいけないというのは全体の意見で、それを代弁して私が書いてるわけですけども。そういう1市民というよりもですね、県としての意見ですね。
(記者)
すいません。中日新聞です。冒頭で、知事がおっしゃった、これからの方針の中の一つで、選挙戦の終盤でもおっしゃった浜名湖の庄内半島の上に未来都市を作るって、これ、昨日もおっしゃった浜松市の市長と協力しながら、やっていくって話なんですけれども、具体的にその県がどういう関わり方を、するのか。ちょっと県の人に聞いたら港湾じゃなくて河川の方じゃないかっていうのを、ちょっと聞いたんですけど、どんな関わり方があるのかっていうのを教えていただけますか。
(知事)
これはですね、今、トヨタの未来都市がどういうものになるのかというのは、例えば、中日新聞の取材でもわからないんじゃないですか。ですから、我々は、いわば、トヨタの未来都市が大輪の花なら、それを支える空気とか、土とかですね、そういう周りの整備をしていこうということで、医療、それから、食、スポーツ、それから、教育ですね、こうしたところはですね、向こうにも情報を差し上げながらやってるわけですけども。それと同じようにですね、レイクハマナ未来都市というのも、これは、弁天島における実験を見ての僕の感想を、康友氏、鈴木康友浜松市長に申し上げて、これを広くやっていくということについてですね、向こうはスマートシティーと言われてるので、このスマートシティの言ってみれば、その延長線上にあるというふうに思います。しかしながら、これはそこで完結するかどうかというと、遠州って広いですからね、ですから、湖西にもプライムアースってのありますし、企業の誘致が進んでおりますし、そして、さらにずっと東の方に行けば、磐田も重要です。この磐田と浜松ってのは信用金庫も一体になってるくらいですから、そこも、一体になるでしょう。さらに、さらに言えばですね。浜松の最大の企業はスズキさんですけれども、スズキのテストコースが牧之原にあるじゃないですか。ですから、大井川より西側のところですね、広い意味での西部ですね。こうしたところの、一番の大輪の花が、このレイク浜名未来都市というもので、これはこれからですね、この考え方が面白いということですね。この考え方に、康友市長も共感されておりますので、これから詰めていきます。そして、できれば、歩調を合わせるってのもおかしいですけども、トヨタの未来都市がこの姿を現してくるのと並行する形で、全く別の形ですけれども、人類の未来を体現するようなですね、まちづくりですね、これをやっていきたいと、いうことで、楽しみしてください。
(記者)
もう一つ、昨日おっしゃったことで、個人消費を、これからしばらくは牽引、個人消費を刺激していかなきゃいけないってことをおっしゃったんですけれども、消費税、これはちょっと県の政策とは言えないんですけど、消費税についてはどういうふうに、お考えでしょうか。
(知事)
そう。もう、財政の赤字に対して財務省がですね、ともかく消費税アップっていうのはずっと言ってこられたわけですね。その財務省がもう、放漫財政で、かつ、財務省ご出身の日銀の総裁がですね、インフレ率2パーセントというのを目標にして、異次元の金融緩和をされてですね、ジャブジャブになっておりまして。そのお金が、本来の、個人消費等に向いて1パーセント上げるっていうんじゃなくてですね、ほとんど金融商品なんかに流れたりして、結局、社会の格差をもたらしているわけですね。だから、非常に生きにくい人たちがいらっしゃるわけです。ですから、それはもうよく知っておりまして、ですから、生活を犠牲にして何が金融緩和かと思ってるところがあります。そうした中、2年前の2パーセントの増税があったということで、一気にこの消費が冷え込みました。冷え込んだそのあと数ヶ月後にですね、このコロナが襲ってきたと。ですから、これは、もう、今度はもう飲食店が最初すぐに、打撃を受けましたけど、もう、ものすごく冷え込んだわけですね。ですから、ここを一番困ってるところをですね、励ますっていうのが筋だということでですね。ですから、もう少し豊かな生活をしましょうと。個人、60歳以上の人たちが、どちらかというと、たくさんの貯金をお持ちです。ですから、30代の頃はですね、お子さんもいらっしゃるし、稼ぎも十分じゃない、貯金も十分じゃないからですね、そういうところにお金を回るようにするにはどうしたらいいかと、いうことを考えるわけですね。それはやっぱり自分たちの老後も安心で、かつ、食べるものに困らなくて、そして子供たちが、あるいは孫たちがですね、幸せに暮らせるという、そういうことでしょう。そうすると、そういう場所として、うちが今、選ばれてますからね。30代前後の方たちの割合が5人に4人ということで、だから、そこに私どもは、オフィスを作るとか、あるいは、県産材を使うとか、庭づくりとか、合計64万円をですね、即、支給するプログラムを作ったら、2週間、2〜3週間前の話ですけど、300件以上の申し込みがあったと。ま、いうことですね、これを拡充しなくちゃいけないじゃないかと思ってるんです。それぐらいですね、需要があるわけですね。つまりお金がないわけですよ。だから、補助金欲しいということですね。ですから、こうしたものをですね、もっと体系的にやってかないといかんと思っておりまして。やっぱり消費は家でしますのでね。その家の豊かさってのはすごく大切だと。例えば、小さな家だと、ガレージ持てないから、ガレージ買わなくちゃ、あの、借りなくちゃいけないと。これ、大きな、敷地ですとね、2台ぐらい置けるじゃないですか。それは都会じゃ無理ですけど、田舎に行くと、田舎っていうとおかしいですけど、カントリーサイドに行けば可能ですよね。そういうところに交通基盤がきっちりさえしていれば、川根本町のようにですね、非常に豊かなところだなというふうに、外国の方が思うとかですね、いうところ出てくるわけですよ。私はこれをですね、奇貨として、川根本町、あるいは、土肥当たりですね、土肥高校あたりも、高校生が少なくなってますけども。そういうところはですね、これは磨かれていない石だと、宝石だと、磨けば宝石になるということで、静岡県全体、そういうところが、もう、たくさんあるというふうに思っておりまして、ともかく、家を、敷地を広くすると。どういうふうにすると、そこにお金をかけかけなくて済むかと。定期借地とか、あるいは定期借家とかですね。そして、安心して、長く使えるというようなことで。せいぜい地代分とか家賃分は、税金も、所有者が納めなくちゃいけませんので、そうしたことはカバーしなくちゃいけませんけど。数千万とかですね、かかるような大きな支出をしなくて済むように、広い家だと、耐久消費財も、普通の、いわゆるこの、ディスペンサブルのこの消費もですね、すぐに消費してしまう、まあ、衣食のようなものですね、こうしたものもですね、タンスが一つ一つ増えると、もう一つ、服、買ってみようかとかですね。部屋が一つ増えると、友達やお父さんお母さん招いてですね。そこで、そうするとトイレもう一つ作った方がいいとか、あるいは冷蔵庫一つ置いてあげましょうかとか、テレビを替えてあげましょうかとか。それから買い物用と遠出用の車を二つ買いましょうとか。これも、ガレージ代がいらなければですね、やれるわけですよ。こうした、この贅沢に見える暮らしをですね、これをですね、これからの日本の理想にしたいと。つまり、景色と手入れのされている庭とですね、が、調和しながら進んでいくという、こういうガーデンシティをですね、作って、豊かに、感じられる生活、これをですね、提供していきたいと。それが個人消費のねらいです。それに、全体の支出の、全国民の全支出の半分以上を占めてるわけですから、すごい経済力なんですよ。
(記者)
ま、じゃあ、消費税については、特に知事としてはご発言をしない。
(知事)
あれはしょうがないなと思ってます。財務省のあれはもう、何て言いますか、執念でしょう。だから、結果的にですね、失敗したわけですね。そのあと、消費が冷え込んで税収が減り、2パーセントの目標もできず、その目標もですね、雇用の達成ということにすり替えられているということで、アベノミクスは、残念ながら、これまでのところは破綻したと言わざるをえないと。だからフジノミクスだという、こういうわけです。 |